【2020年】自動車部品メーカー ランキング
自分が所属する自動車部品業界各社の売上をもとにランキングします。
あわせて車載ソフトエンジニアから見た各社の特徴と共にまとめてみます。
全ては紹介しきれませんので、オリンピックで入賞になる8位までを紹介しています。
2020年3月期の国内売り上げの各社発表をベースに記載しているつもりですが、一部古い情報が入っている可能性があるので、ご参考程度にどうぞ。
就職活動や転職活動を進めていくうえで、業界研究・企業研究は大事です。最終的には、自分自身でしっかり調べるようにしていきましょう。なお、年収については、あえて記載していません。公表されている平均年収は、工場勤務者も含めた年収になっているため、ソフト開発含むエンジニアの年収の実態とは乖離があるためです。
車載ソフト開発したい！でも、どんな会社があるんだろ？
①デンソー
名称 ： 株式会社デンソー
本社所在地 ： 愛知県刈谷市
売上高 ： 5兆1535億円
従業員数 ： 45,304人
(連結171,992人)
平均勤続年数： 22.3年
主要製品 ： エアコン、パワトレ、情報安全、電子機器、etc
圧倒的国内No1は、「デンソー」です。デンソーは、トヨタ自動車の電装部門が独立する形で会社が創設されています。そのため、社名の通り、自動車部品の中でも電気で動く電装品を多く取り扱っています。
トヨタグループの中核企業となっていますが、唯一トヨタにモノ申せるサプライヤーとして業界内では言われており、自社主導での製品開発や、トヨタ外への部品供給も行うメガサプライヤーです。
車載ソフト開発面で見たときにも、デンソーは業界内でトップポジションにいます。車載ソフトの標準化を推進する一般社団法人JASPARにも自動車メーカーに肩を並べ、幹事会員として参画しています。また、Maasや自動運転にも積極的に取り組んでおり、これから更に重要になっていくソフトウェアに強いサプライヤではないでしょうか。
②アイシン
名称 ： アイシン精機株式会社
本社所在地 ： 愛知県刈谷市
売上高 ： 3兆7846億円
従業員数 ： 14,439人
(連結119,732人)
平均勤続年数： 15.5年
主要製品 ： パワートレイン、ブレーキ/シャシー、ボディ、電動ポンプ、カーナビ・etc
国内No2は、「アイシン」です。
これまでは、アイシン精機をトップとするグループ経営が特徴です。子会社のアイシン・エィ・ダブリュは、親会社を上回るほどの従業員数・売り上げを誇るほどでした。しかし、2021年4月1日より、アイシン精機とアイシン・エィ・ダブリュの2社は経営統合する予定となっており、社名を「アイシン」に改め、更に競争力強化を図るようです。
アイシンもデンソー同様に、トヨタグループに位置しながら、トヨタ以外への複数のカーメーカーに部品供給するサプライヤーです。取り扱う製品も多岐にわたります。
トランスミッションやボディ製品などの機械系製品が主力となっているサプライヤーです。今後、CASEが進んだ際にいかに対応できるかが今後のカギとなるでしょう。
売上としては、機械系が主力となっていますが、システムで開発を進めているため、自社でECUやソフト開発も進めています。車載ソフト開発に、従事するチャンスは十分にある企業と言えるでしょう。
③ブリヂストン
名称 ： 株式会社ブリヂストン
本社所在地 ： 東京都中央区
売上高 ： 3兆5256億円
従業員数 ： 14,567人
(連結143,589人)
平均勤続年数： 14.0年
主要製品 ： タイヤ
3位は、世界No1タイヤメーカーです。
車載ソフト開発という意味では、直接的な関わりが少ないでしょう。
④住友電工
名称 ： 住友電気工業株式会社
本社所在地 ： 大阪市中央区
売上高 ： 3兆0845億円
従業員数 ： 5,377人
(連結272,796人)
平均勤続年数： 16.9年
主要製品 ： ハーネス
4位は、ハーネス屋さんの住友電工です。
住友電工自体は、非鉄金属メーカーで世界トップシェアの製品を多数持っている企業です。ゲートウェイECU等のエレクトロニクス製品を取り扱っている、2007年から子会社となった住友電装のほうが車載ソフトに従事する可能性は高そうです。
⑤豊田自動織機
名称 ： 株式会社豊田自動織機
本社所在地 ： 愛知県刈谷市
売上高 ： 2兆1714億円
従業員数 ： 13,891人
(連結64,641人)
平均勤続年数： 17.9年
主要製品 ： 産業用車両、エンジン、コンプレッサ、電子機器
名前からは、繊維織機を作っているだけなのかなぁと思ってしまいそうですが、RAV4などの一部のトヨタ車両の製造や、ディーゼルエンジン、コンプレッサ、コンバータなど自動車関連製品の開発・生産も行っています。また、フィークリフトや搬送システムなどの産業用車両の開発・生産も行っています。近未来のお寿司屋さんで、自動的にネタが運ばれてくるというCMが、私には印象に残っています。実は、あれが自動織機です。
自動車部門にも、しっかりカーエレクトロニクス事業を有しているため、車載ソフト開発は必須でしょう。特に、今後さらに需要の高まってくる、HV、PHV、EV、FCVなどの電動車両用電子部品に力を入れているようです。2007年からは、エレクトロニクス関連事業の拠点となる安城工場を新しく立ち上げていたり、電子部品の海外生産を20年から開始するなど今後も拡大分野として、捉えているのではないでしょうか。
乗用車ではありませんが、産業用車両部門でも開発・生産を行っていることから、システム開発からソフト開発まで従事できそうです。
⑥矢崎総業
名称 ： 矢崎総業株式会社(非上場)
本社所在地 ： 東京都港区三田
売上高 ： 1兆9454 億円
従業員数 ： 国内18,557人
(海外231,110人)
平均勤続年数： 18.1年
主要製品 ： ハーネス、メーター、コネクタ
非上場・グループ経営となっている企業です。取り扱う業務・製品によって会社が分かれているようです。ハーネスやメータを中心にトータルでカーエレクトロニクスを支えられるよう様々な製品を取り扱う企業です。研究開発では、次世代のパワーエレクトロニクス応用技術や知能・情報技術の基盤技術の研究を行っていたり、車載機器の組込みソフト設計も取り扱っています。メーターなどのユーザーの直接目に触れる部分を扱えるのは、ソフト開発に携わるうえで魅力がありそうです。本社は東京ですが、メイン研究所となる拠点は、静岡県裾野市を中心に行われています。
⑦ジェイテクト
名称 ： 株式会社ジェイテクト
本社所在地 ： 大阪市中央区南船場
(名古屋本社)名古屋市中村区名駅
売上高 ： 1兆4186億円
従業員数 ： 11,914人
(連結49,693人)
平均勤続年数： 15.5年
主要製品 ： ステアリング、ドライブトレイン、ベアリング
続いて7位は、トヨタグループの一員でもあるジェイテクトです。
ジェイテクトと言えば、世界1位のシェアをもつ「電動パワーステアリング」が有名かと思います。その他にも、軸受大手三社の一角を占めており、ベアリングを使った製品を多く製造しています。
ジェイテクトでは、これまでのステアリング技術で培った技術をベースに自動運転を想定した操舵システムの開発もおこなっています。こういった技術には、言うまでもなくソフト開発の役割が大きくなっていると考えられます。
⑧トヨタ紡織
名称 ： トヨタ紡織株式会社
本社所在地 ： 愛知県刈谷市
売上高 ： 1兆3726億円
従業員数 ： 8,259人
(連結43,103人)
平均勤続年数： 16.1年
主要製品 ： シート、内装品、吸排気システム、燃料電池関連製品
最後8位は、トヨタ紡織です。
シートを中心とした自動車内装部品を中心とする企業です。最近の高級車のシートは、電動でシートポジションを設定してくれる製品が多く搭載されています。今後の自動運転時代を見据えた際には、社内空間の快適性を向上させるために高機能化が加速していくのではないでしょうか。LS に搭載されているトヨタ紡織のシートでは、マッサージ機能までついています。
電動化、高機能化が進むシート開発でも、ECU・ソフト開発は既に必須となっているでしょう。
まとめ
自動車部品の種類は、多岐にわたります。
今回ご紹介した、大手部品メーカー以外にも、数多くの企業があります。自動車業界は、階層構造になっており、カーメーカー、Tier1サプライヤ、Tier2サプライヤ、さらにその下に続くサプライチェーンが構築されています。また、各サプライヤのソフト開発会社が独立していたり、ソフト委託会社も多くある状況です。
車載ソフト開発やりたい！と考えても、会社毎に取り扱う製品も違ったり、多くの企業があるため、どんな製品に従事したいか、どこで働きたいか、自分の希望をイメージしておくことが大事でしょう。
